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ダイエット中の食欲を抑える:食品のエネルギー密度

さまざまな食材

ボディビルダーのような身体づくりはもちろん、一般的な体形改善が目的の場合も、身体を動かすことが大切ですが、食事の管理も同様に大切です。特に体脂肪を落としていきたいときの食事は、以下の条件を満たすことが大切になります。

  • カロリー収支をマイナスにする(摂取カロリー<消費カロリー)
  • たんぱく質を多めに摂る(例えば2.2g/kg/LBM)
  • 最低限の脂肪は確保する(総摂取カロリーの15〜30%)
  • 残りのカロリーは炭水化物から摂る

他にも考えるべき要素はたくさんあるものの、筋肉量を維持しながら体脂肪を落とすためには少なくとも以上の条件を最低限守っていきたいです。しかし、ここで挙げた条件を実践するのは思った以上に困難で、正しい食品を選んだり食欲をコントロールしたりすることが障害となり、体形改善のための食事が継続できないことがよく見られます。

食欲のコントロールにはいくつもの要因が影響をしていますが、食品の重さあたりのカロリー、食品のエネルギー密度Energy Density)がひとつの例として挙げられます。今回は、食品のエネルギー密度についてお話していきましょう。

食品のエネルギー密度とは

食品のエネルギー密度Energy Density)とは、食べ物1gあたりに含まれる熱量のことで、kcal/gで表されます。例えばりんごで100kcalを摂るのと、クッキーで100kcalを摂るのとでは食べる重さが全然違いますね。同じカロリーを含むならば、りんごの方が含まれる水分量が多い分クッキーよりも重い量を食べることになります。この例では、りんごの方がクッキーよりも1gあたりのカロリーが低く、「エネルギー密度が低い」と言えます。

食品のエネルギー密度を出すには、以下の式を用います。

食品のエネルギー密度 = 食品に含まれるカロリー ÷ 食品の重量

例えば、100g中に50kcal含まれる食品であれば、そのエネルギー密度は0.5kcal/gとなりますし、100g中に400kcal含まれる食品のエネルギー密度は4.0kcal/gとなります。

エネルギー密度が変わる要因には、以下が挙げられます。

  1. 食品に含まれる水分量
  2. 食物繊維の量
  3. 脂肪が含まれる量

この中でも食品に含まれる水分量は、もっとも影響力の大きな要因です。

エネルギー密度が低いと食欲と摂取カロリー抑制が容易に

エネルギー密度が高いものほど美味しいものが多く、多くの量を摂りがちであることから、満腹になるまでにかなりのカロリーを摂ってしまう傾向にあるようです。当然これは体重管理に影響を及ぼします。例として、チョコレートバーやクロワッサンなどを想像してもらえると分かりやすいと思います。エネルギー密度の高い食品には、水分量が少なかったり脂肪が多く含まれる加工食品や精製食品が名を連ねます。

野菜や果物、そして脂肪の少ない肉や魚など、いわゆる減量で定番の食品はエネルギー密度が低い傾向にあります。それは水分量を多く含み、食品によっては食物繊維が含まれ、脂肪が少ない傾向があるからです。

短期間の研究では、エネルギー密度の低い食品を摂ることで摂取カロリーを落とすことができ、体重のコントロールが容易になることが見られています[1,2]。興味深いことに、エネルギー密度が低い食事では、摂取カロリーが少ないのにもかかわらず、空腹感や満腹感はエネルギー密度が高い食事と変わらなかったようです。この理由として、食品の重さが関係していると考えられています。エネルギー密度の低い食品ほど、同じカロリーを確保するのに多くの量が食べられます。下のグラフでイメージをつかんでもらえればと思います。

食品のエネルギー密度と食品の重さ

食品のエネルギー密度と食品の重さ

エネルギー密度の低い食品をとることは、短期間の摂取カロリーを減らすだけでなく、長期に渡った体重管理に影響しそうです。2012年のシステマティックレビューによると、エネルギー密度を低く抑える食べ方のほうが、エネルギー密度が高い食事と比べ摂取カロリーを抑えることができ、減量や体重維持に効果があったことが示唆されていました[3]。このことから、エネルギー密度の低い食品を積極的に選ぶことは、摂取カロリーを抑え、体重を管理する手段として使える可能性があります。

食事のエネルギー密度を低くしていく方法

食品のエネルギー密度が低くなるように食べることは、自然と摂取カロリーを抑えることにつながりそうです。では、エネルギー密度を低くする方法を見ていきましょう。

1. 水分量の多い食品選び

水分量の多い食品選びが大切です。まずは野菜と果物を取り入れてあげることから始めてみましょう。厚生労働省では、成人であれば1日に350gの野菜を摂ることを推奨しています。また、農林水産省では、200gの果物(りんごで1個、うんしゅうみかんで2個)を1日の摂取量としてオススメしています。また、カロリーの少ないスープ、例えばコンソメスープなどを食事前に飲むことも効果を発揮するようです。

注意点があります。水分量を増やすと言っても、砂糖や果糖ブドウ糖液糖を含む清涼飲料水を飲むことは逆効果かもしれません。通常であれば、普段よりもカロリーを多く摂ると、身体が自然と他の食事量を減らして、総摂取カロリーを調整することもありますが、清涼飲料水では他の食事からのカロリーは減らないか、場合によっては増えてしまうことあり、清涼飲料水を飲んだ分だけカロリーを増やす可能性があります[4]。清涼飲料水を絶対に避けなくてはいけないわけではありませんが、余計な摂取カロリーは減量には向いていませんね。甘味がどうしてもほしい場合は、必ずしも積極的に勧めているわけではありませんが、人工甘味料入りの飲料が役に立つ可能性があります。人工甘味料の安全性について不安のある人はこの記事をご覧ください。

2. 脂肪を減らす工夫をする

魚やナッツ類やオリーブオイルなどから、良い脂肪を必要な分だけ確保してほしいものの、体重で悩む人の多くは油物を不必要に摂っていることが多いです。この場合、たんぱく質を摂るにしてもできるだけ低脂肪な肉(皮のないトリ、脂肪をできるだけ切り落とした赤身肉など)からの摂取を心がけます。

また、余計な油を含む揚げ物などの加工食品の量を少なくすることはもちろん、低脂肪食品に代えてみるというのも悪くありません。例えば同じハムでも低脂肪のハムを取り入れてみたり、普通の牛乳を低脂肪乳に代えてみたり、通常のチーズの代わりにカッテージチーズを食べてみたりすることは、摂取カロリーと食品のエネルギー密度の減少に貢献します。

個人の嗜好や、1日に必要なカロリーと食品から摂る脂肪の量を見て相談してみてください。

エネルギー密度を低くすることによる問題点

エネルギー密度の低い、健康的な食べ物を選ぶ時はいくつか問題点があります。

ひとつはコストの高さです。野菜・果物・肉・魚などを身体づくりに利用すると、加工食品が多めの食事で済ます場合と比べて食費がかさむ傾向にあります。これが場合によっては“健康的な食事”が継続できない理由となります。

また、エネルギー密度の低い食品は脂肪を多く含むエネルギー密度の高い加工食品と比べると味が淡泊で美味しくない場合が多く、これが食品に対する満足度を下げるため、エネルギー密度の低い食品を選びたくなくなる理由となります。

これらの問題点を打破するために、代用できる安価な食品を探す(例: 缶詰、冷凍野菜など)摂取カロリーを気にしながらも好きなものは適度に食べるようにする、味付けを工夫する、料理の腕を上げるなどの努力が必要になってきそうです。

まとめ

カロリー収支と三大栄養素の調整だけで必ずしも体形改善に必要な食事管理が継続できるとは限りません。多くの要因が影響しますが、特に食欲を抑えることが成功へのカギになります。食品のエネルギー密度(kcal/g)の低いものを積極的に食べることは、その食欲の抑制に一役買い、体形改善を継続していくコツと言えそうです。

食品のエネルギー密度を低くするには、野菜と果物を増やすこと、カロリーの少ないスープを食事に加えること、そして脂肪を抑える(低脂肪の肉を選ぶ、加工食品を減らす、低脂肪食品を取り入れる)ことを実践してみましょう。ただし、エネルギー密度の低い食品を選び続けるには、コストの管理と料理の工夫が必要かもしれません。

もちろん最終的には今の自分の状況や嗜好に合わせた食品の選択が必要になります。ぜひ個人の目標に合わせた最も継続しやすい方法を見つけてみましょう!

Atlas Motohashi

参考文献

  1. Bell, Elizabeth A., et al. “Energy density of foods affects energy intake in normal-weight women.” The American journal of clinical nutrition 67.3 (1998): 412-420. [Link]
  2. Rolls, Barbara J., Liane S. Roe, and Jennifer S. Meengs. “Reductions in portion size and energy density of foods are additive and lead to sustained decreases in energy intake.” The American journal of clinical nutrition 83.1 (2006): 11-17. [Link]
  3. Pérez-Escamilla, Rafael, et al. “Dietary energy density and body weight in adults and children: a systematic review.” Journal of the Academy of Nutrition and Dietetics 112.5 (2012): 671-684. [Link]
  4. Vartanian, Lenny R., Marlene B. Schwartz, and Kelly D. Brownell. “Effects of soft drink consumption on nutrition and health: a systematic review and meta-analysis.” American journal of public health 97.4 (2007): 667-675. [Link]

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