人工甘味料とその安全性

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人工甘味料の安全性については不安の声を聞きます。この記事でも少し触れましたが、フィットネス現場における食事指導でも、人工甘味料の安全性について疑問視する指導が多いです。SNSでは毎日のように、有害性についての記事が投稿されます。

科学的根拠を見ていくと、人工甘味料を少し摂ったところで、身体に対する悪影響は確認できていません。今回は人工甘味料の安全性について見ていきましょう。

誤った引用をされる動物実験結果

先日、Facebookにてこの記事がシェアされていました。内容はエナジードリンクについてなのですが、「エナジードリンクを摂ってはいけない」という理由の一つに人工甘味料の悪影響が挙げられています。よく読んでいただきたいのですが、人工甘味料が危険だとして引用されている文献は全て動物実験です。動物実験は、人間で実験を行う前にどういうことが起きるのかを想定したり、ヒトを使ってはできないような実験を行ったりするのに必要なものです。ところが、動物実験の結果を持ち出して、そのままヒトでも同じことが起きるとするのは強引だと感じます。

例えば、私が以前書いた記事でもお話しした、CLAというサプリメントについて、げっ歯類の実験では1週間に約1%ずつ体脂肪率が落ちるという、夢のような結果が出ていたにもかかわらず、ヒトを対象とした場合では目覚ましい効果は上げられませんでした。

このように、必ずしも動物実験の結果がヒトでも反映されるとは限らないのです。上記で紹介したような記事を読むときに、動物実験が引用されている場合は、少し批判的な目を持って読んでみる必要があります。そして残念なことに、情報をミスリードする記事がとても多いのです。

人工甘味料が身体に及ぼす影響

人工甘味料が身体に及ぼす影響に関してはさまざまな研究が行われ、その安全性が証明されています。中でも最も研究されている人工甘味料はアスパルテームです。アスパルテームはさまざまな年齢層、性別、その他の健康状態を含めて、使用の安全性が確認されています。また、アスパルテームを多量に利用している人であっても、アメリカのFDAが定める安全基準を下回る量しか摂取しておらず、基準値の数十倍以上のアスパルテームを摂取した場合でも、人体に悪影響はなかったとされます。 その他の人工甘味料(ステビア、アスパルテーム、アセスルファムK、ネオテーム、サッカリン、スクラロースの6つ)に関しても、2015年2月に発表されているレビューでは、許容量内の使用において安全性が確認されています。

もちろん未知のリスクの存在は否定できません。例えば、最近発表された研究のひとつに、「人工甘味料が腸内細菌叢を悪化させ、血糖値のコントロールが悪くなる」と報告した研究があります。 これについては、実際に数値を悪くしていたのは、現在はごく一部の食品にしか使われていないサッカリンでした。これに関しては、サッカリン自体の摂取が今では難しいため、驚異的なリスクとはなりませんでしたが、このような隠れたリスクがこれから発見される可能性もあります。

少なくとも現在まででわかっている範囲では、身体に対する人工甘味料の安全性は確認されているのではないかと思います。

まとめ

人工甘味料はその悪名ほど危険ではないと思います。 人工甘味料の積極的な摂取を推奨しているわけではありません。基本的には必要栄養素を食事から摂ることは大切なことだと思います。

ただ、完璧を求めるあまりに潔癖になりすぎるのも良くないと感じます。最終的には、客観的な情報をもとにひとりひとりが判断をしていけばいいのだと思います。 昨今では、恐怖を煽るような情報も多く、情報に振り回されないようにきちんとしたフィットネス指導者をつけることも手だと思います。

Atlas Motohashi

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