サプリメントのうたい文句にダマされない

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サプリメント、特に広く一般的にエルゴジェニックエイドとして勧められているものに関してはかなり個人的な興味を失っています。それなりに効果の出るものが存在するのは事実です。しかし推奨されている多くのサプリメントは、個人の経験・逸話だったり、動物が対象の研究や、結論を導くには不適切な条件の研究などが使用推奨の根拠となっており、よく条件をコントロールされた研究を見ると実は役に立たないという結果のものが多いのが現状です。

本当に効果のあるサプリメントは?

クレアチンは、特に無酸素運動を主体に伸ばしたい方には例外的にお勧めできるエルゴジェニックエイドかなと思っています。勿論、筋トレにも有効です!

クレアチンの歴史はかなり古く、発見から1世紀以上が経過しています。クレアチンのエルゴジェニックエイドとしての研究は、その7割が良好な結果を出しています。特に無酸素運動、例えば筋の出力やパワー、スプリント、繰り返し行うスプリント、跳躍などなどにて良好です。7割以外のところでは、変化がなかったとしても悪い方向への結果はほぼ出ていないようです。無論、この辺は様々な条件によります。

また、確認されている身体への悪(?)影響は体重増加くらいで、その他の悪影響はあまり見られていないようです。巷では、腎臓への悪影響※や脱水や、むくみといったことが噂されていますが、これらはいずれも反証済みです。

※腎臓への悪影響は、もともと腎臓に疾患があった方が服用して見られた影響です。それをメディアが大々的に報じたのがきっかけにこの噂が広まっています。健康な方に対しての影響は見られていないようです。

というわけで私もクレアチンは筋トレに対するエルゴジェニックエイドとして利用しています

サプリメントショップ不適切な売り込みの例:クレアチン

さてそんなクレアチン、特にクレアチンモノハイドレートなのですが、購入しようとサプリメントショップへ立ち寄ると 店員さんから以下のような売込みをされます。

「クレアチンモノハイドレートよりもこのクレアチンHCL(その他の場合もある)の方が吸収が良くて、体重増加も少ないよ。研究で証明されているんだ。」

残念ながらこれは過剰で不適切な売り込みです。

まず、今の所モノハイドレートよりも効果が出るクレアチンがあるというエビデンスは見当たらないようです。効果が出ているとされる研究も、クレアチンモノハイドレートと直接比較したものは少なく、比較している研究でもクレアチンモノハイドレートと同等かそれ以下のものばかりのようです。また、ローディング期間が過ぎて飽和状態になった時点で、吸収云々はあまり関係ありません。更に、グラム当たりのクレアチン含有量も、HCLやその他のフォームではモノハイドレートよりも少なく、モノハイドレートと同量のクレアチンを摂ろうと思うとその商品の大量摂取が求められます。また、サプリメントそのものも高いのです。つまり経済的ではないと言えます。

以上から、クレアチンの導入する場合は、クレアチンモノハイドレートが(今の所)最も効果的かつ経済的だと言えます。

ここではクレアチンを例に出してますが、カナダだけなのか、こっちのサプリメントショップの売り方はやたらこんなのばかりなんです。

多分詳しくない方は普通に騙されると思います。

それ以外にも似たようなケースは多くあります。それが意図的なのか、本当にセールスマンが分かっていないのかは不明ですが、何れにしてもあまり良いやり方とは思えないです。

さすがにショップの店員にここまでダイレクトには言いません。やんわり断って、目的のものを買っています。皆様も、情報に留意しながら適切なサプリメントを選んでいきましょう!!

おまけ

このサプリの売り込み方に疑問を持っているのは私だけではなかったようです。
下のビデオに登場するのは、カナダ・トロントで活動中のトレーナーなのですが、彼もこう疑問を呈しています。英語の分かる方はどうぞご覧下さい。

Atlas Motohashi

アイキャッチ画像:Copyright: jackf / 123RF Stock Photo


 

参考文献:
Buford, Thomas W., et al. “International Society of Sports Nutrition position stand: creatine supplementation and exercise.” Journal of the International Society of Sports Nutrition 4.1 (2007): 1. [リンク]

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