年末年始の体重管理

Atlas Online Fitness 年末年始の飲み会 栄養

12月から1月にかけて飲み食いする機会が増えることは、減量をしてきた方にとって”厳しい”ことだと思います。この時期、忘年会、クリスマス、年末年始のお休み、新年会が続くことで、体重管理が難しく感じると思います。

アメリカでは、11月の終わりにあるThanksgiving Dayから新年にかけての6週間で増える体重は、1年間で増加する体重の51%に及ぶことが見られています。多くの方は、まとまったイベントが続くこの時期に体重を増やしてしまう傾向があるようです。

イベント日程は違いますが、日本の年末年始でも同じような傾向がありそうだと考えられます。 この時期をどう乗り切るのかが、体重管理をしていくのに影響してきます。今回は、この時期に多い「飲み食いするイベント」をどう乗り切るのかについてご紹介していきます。

イベント内の食事量を調整する

多くの方にとって、個々の食事会や飲み会での過剰摂取が問題になってきます。イベントでの食事は「量を加減しながら乗り切る」というのがカギになってきます。

お酒・たんぱく質

「お酒から摂取されたカロリーは消費される。」と良く聞きますが、実際にはお酒からの過剰なカロリーもしっかりエネルギーとして身体に蓄えられます。普段よりも多く飲む予定の場合は、その他の食事量を控えめにしてあげるという工夫が必要になります。食事量を落とすと言っても、たんぱく質の摂取量は維持した方が良いでしょう。身体づくりやダイエットにおいて、たんぱく質を多く摂ることは成功の秘訣の1つと繰り返しお伝えしていますが、それは飲み会においても同じです。何かから食事量を落とすのであれば、たんぱく質を出来るだけ食べた上で、脂質や炭水化物から落としてしまうのが良いでしょう。例えば、ローストチキン(皮なし)やローストビーフや焼き鳥やお刺身はしっかり食べつつ、揚げものの油や〆のうどんやおじやなどからのカロリーを落とす、といったことです。いずれにしても、飲み過ぎることであっという間にカロリーオーバーしてしまいますのでご注意下さい。

この時期でも、1日にたんぱく質を体重×2gを目標に摂れるように心がけましょう。

脂質の過剰摂取を防ぐ

飲み会で最も厄介なものは、お酒以外には揚げ物などの油物が挙げられます。油(脂質)は炭水化物やたんぱく質と違い、消化する際に消費するエネルギーがさほど高くありません。したがって、食べた分だけ身になる可能性があります。また、飲み会等で提供される油物の質は決して健康にとっても良いものではありません。

物によっては排除が難しいものの、油物は可能であれば油分をカットしながら食べるのが理想的です。例えば、ローストチキンの皮を剥ぐ、から揚げの衣を半分だけでも剥ぐ、フライドポテトなどに含まれる脂は紙に吸わせてから食べるといった工夫は、地味ながらも有効です。

もう1つテクニックとしては、食物繊維(野菜など)をしっかり食べておくことです。脂質+食物繊維によって、脂質が身体の中に吸収されきらずに幾ばくか排泄してしまうことも見られています。

その他に出来る工夫

目の前に食べられる物があると、ついつい食べてしまうのが人間の性です。研究においても、いつでも、何でも食べられる状態にすることが、最も体重を増やすことであると報告されています。無意識にだらだら食べてしまうことは、気がつかない間に過食してしまう1つの大きな原因です。これを回避するために、食べる分だけをあらかじめお皿に盛り、それを食べ終わったらそれ以上は食べない、といったルール付けを予めしておくことは有効になります。

ポイント

  • お酒を飲む場合は、炭水化物か油物をカットしましょう。
  • たんぱく質をしっかりと摂取しましょう。(1日に体重×2g)
  • 油物は、紙に油を吸わせたり衣を剥ぐなどしてカットしましょう。
  • 野菜の摂取(或いは食物繊維の多い穀物など)は幾ばくかの脂質を体外へ排泄する可能性があります。
  • あらかじめ食べる分だけをお皿に盛っておき、それだけを食べるように心掛けましょう。

カロリー収支を長期の目で考える

1回の食事量が多くなっても、諦める必要はありません。まず、身体は短期間多くカロリーを摂取したとしても、一時的にカロリー(主にエクササイズ以外の身体活動: NEATから)を消費します。個人差やどんな食品で過食したかが影響しますので、必ずしも全員に言えるわけではないものの、1日に多く摂ってしまったカロリーの全てが体脂肪に反映されるわけではない可能性があるということです

また、飲み会などの翌日に体重が増えていたとしても、多くは肝臓や筋肉に蓄えられた糖質と、それに結びつく水分によるものです。塩分などによる浮腫も勿論含まれます。したがって、1日だけ多く食べ過ぎて翌日の体重が増えたとしても、全てが無駄になったと悲観する必要は全くありません。焦らずに今までやってきたことを継続すれば良いでしょう。もちろん、この過食が長期に渡る場合は注意が必要です。この場合、普段日(イベントのない日)やイベントのない時間帯の食事量をコントロールする必要があります。

ポイント

  • 短期間で増える体重は、殆どが水分です。焦らずに今まで通りのダイエットを行いましょう。
  • 過食が長期に渡る場合は、体脂肪の蓄積による体重増加が考えられます。

 

何よりも継続する

年末に一度食事のルーティンが崩れると、そのまま自暴自棄になり諦めてしまい、イベント以外の日も過食を繰り返してしまうというケースは比較的聞きます。

ダイエットの失敗する1番の原因は継続できないことです。例えば食事療法中の過体重・肥満の方を対象にしたある調査では、68%の方が指示された食事を守ることが出来ていなかったそうです。また、食事の指示から外れて食べていた方ほど、ウェスト周りや体重が顕著に多かったそうです。この時期に体重を落とすのは難しいですが、少なくとも体重を維持、増えても最小限に留めるといった緩い目標を据え、普段の日やイベントのない時間帯の食事は今までと同じような”良い食事”を続けていることが重要になります。

長期先のことを念頭に置きながらこの月においては、楽しむ時は楽しみ、食事の調整が出来る時は食事をいつものように元に戻しながら過ごせれば良いのではないでしょうか?

無理して普段の日の食事量を落とす方もいますが、個人的には飲み会やイベント以外の普段の食事を極端に減らすなど、劇的に変える必要はないと考えます。

ポイント

  •  ダイエット成功の秘訣は継続です。イベントのない日や時間帯の食事をコントロールしましょう。
  • その場合でも、極端に食事量を減らすのは控えましょう。

 

運動について

最後に運動に関することをお話ししておきます。 1つは、食べ過ぎたことを自覚して運動量を増やす方が多いのですが、その場合はオーバートレーニングやケガにご注意ください。運動量を増やす方法として有酸素運動を入れる方が多いのですが、急に慣れないことを行うことで関節がついていかないことがあります。例として、慣れていない方によるランニングのような衝撃の強いものは、関節には良くないかもしれません。それぞれの運動経験などを考慮して運動の選択を行ってください。

また急に普段の運動に有酸素運動を加えたり量を増やしたりすることで、身体の回復が追いつかず、疲れが取れない状態や運動に対するモチベーションが上がらなくなる場合はオーバートレーニングの兆候です。少しお休みを入れて上げた方が良いでしょう。何れにしてもカロリーを燃やす為に運動を取り入れる場合は、少しずつ量を増やすようにしましょう。

年末年始にジムが閉まって運動ができない場合、頑張ってオープンしているジムを探すのも手ですが(多くは通常のビジター料金より高くなっています。)、ご自宅で自重を使うトレーニングをしてみたり、普段したことのない運動にチャレンジしたり、完全にトレーニングをOFFにしてリラックスしたりするのも手です。どういう選択をされるのかは、目標や好みなどに左右されますが、予定通りにならなくても違う発想ができるようにしておくことは、この時期にフラストレーションを溜めない秘訣です。

ポイント

  • カロリーを燃やす為に運動を取り入れる場合は、関節の怪我やオーバートレーニングにご注意下さい。
  • 年末年始の運動スケジュールには、柔軟な発想を持って臨みましょう。

 

個人差が大きいので具体例には触れていませんが、食事の対策や運動については予めフィットネス指導者・パーソナルトレーナーに相談されるのも良いと思います。

是非この楽しい月を乗り切ってください!

Atlas Motohashi

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