筋トレをする人が経験することのひとつに、「トレーニングの途中で集中力が切れる。」「思ったような力が出せない。」ということが挙げられます。イロイロ原因は考えられますが、炭水化物を摂るタイミングを誤ったことが可能性のひとつとして挙げられます。
一般的な身体づくりを目指す場合、食事のタイミングはあまり重要ではありません。しかし、筋トレをできる限り効果的に行いたい場合は、トレーニングを行う時間に合わせて食事をすることが効くことがあります。今回は筋トレ前の炭水化物の摂り方について見ていこうと思います。
普段の食事
筋トレのように短時間で大きな力を発揮する運動では、筋肉に貯えられる「筋グリコーゲン」というものが主なエネルギー源となります。筋グリコーゲンは、炭水化物を摂ることで効果的に貯えることができます。
炭水化物を摂ってから筋グリコーゲンとして貯えられるには少し時間が掛かります。例えば100gの炭水化物を摂った時、筋グリコーゲンに変わるには約3〜4時間ほど掛かると言われています。つまり、筋トレを行う直前に慌てて炭水化物を食べても筋グリコーゲンとして貯められるには遅すぎるということになります。
筋グリコーゲンをしっかりと貯えるためには、いつもの食事から炭水化物を十分に摂ることが重要です。減量をしておらず、1回あたり1時間程度の筋トレを週2~4回する人であれば、体重1kgあたり3~5gの炭水化物を摂ることをオススメします。
筋トレの少し前に食事をする場合
筋トレの前に炭水化物を摂る場合は、食事のタイミングによっては筋トレに悪影響を及ぼすことがあります。
食事を摂ると血糖値が上がりますが、すい臓から分泌される「インスリン」というホルモンの働きによって、上昇した血糖値は速やかに下がります。この血糖値が下がるタイミングと筋トレの時間が重なってしまうと、脳への糖の供給が少なくなり、「集中力の切れた」「力の出ない」状態に陥る可能性が出てきます。
食事をしてから、どのタイミングで血糖値が下がるのかは、次のような条件によって変わってきます。
- 炭水化物の種類
- 炭水化物の量
- 個人差
人によって、炭水化物を食べた後の反応が違います。
- 体調
同じ人であっても、日によって反応が違います。
最後の2つの項目については、AthleteBody.jpのこちらの記事を参照されると分かりやすいです。
どういう食品をどのタイミングで摂るのが合っているのかは、実際に試してみないと分からない部分です。しかし、食事から筋トレ開始までの時間があかない人では、マメ・サツマイモ・玄米などのような、消化・吸収に時間のかかる炭水化物を食べることが良い場合があるようです。
筋トレ直前
炭水化物を摂って血糖値を上げてから運動をすると、脳への糖の供給が多くなることで、脳の機能を高いまま維持することができると考えられます。理論上では、筋トレで集中力を切らさないためには理にかなっていると言えそうです。
実際に運動の直前に炭水化物を摂ることで、有酸素運動のパフォーマンスが上がることは見られてるようです。
ただ、筋トレ直前の炭水化物の摂取の必要性については、専門家の意見が分かれています。人によって効果が変わるという可能性も考えられるため、実際に試していただくのが良さそうです。
運動直前に炭水化物を摂る場合は、胃腸への負担を考えて脂肪や食物繊維の少ない液状食、ゼリー飲料、飲料が好ましいかもしれません。
まとめ
- 筋トレを効率よく行うためには、普段の食事で十分に炭水化物を摂っておくことが大切です。
- 筋トレ前に摂る食事では、炭水化物の種類・量・消化の良し悪しなどを考慮して選んでみましょう。人によって反応が違うため、イロイロ試してみることをオススメします。
- 筋トレ直前に炭水化物を摂る時は、脂肪や食物繊維の少ない、消化の良いものを選んでみてください。
ぜひとも筋トレを効果的に行える炭水化物の摂取方法を見つけてください。
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